「料理には自信があるし、接客もちゃんとやっている。それなのに口コミが増えない…」
飲食店をやっていると、一度はこんなモヤっとした感覚を抱いたことがあるのではないでしょうか?
周りを見渡すと、
「え、ここそんなに良い?」
と思うお店のほうが、食べログやGoogleで評価が高かったりしますよね。これ、正直ちょっと悔しい…!
でも安心してください。
口コミが増えない原因は、味や接客の良し悪しだけではありません。むしろ多くの場合、構造の問題だったりします。つまり、頑張っているのに“伝わらない状態”になっているだけ、というケースがかなり多いんです。
ご存知でしょうか?
今の食べログやGoogleの口コミは、「いいお店=自然に増える」という仕組みではありません。何もしていなければ増えないのが普通ですし、やり方を間違えると、どれだけ努力しても評価が伸びにくくなります。
「口コミってお願いしていいの?」
「低評価がついたら怖い…」
「そもそも何が正解かわからない」
こんな不安を抱えたまま、なんとなく放置してしまっているお店も多いのではないでしょうか?
でもそれ、実はかなりもったいない状態かもしれません。
この記事では、飲食店でよく見かける口コミが増えない原因を7つに整理しながら、食べログ・Googleの両方で評価を上げていくための考え方をわかりやすく解説していきます。
「うち、これ当てはまってるかも…」と思いながら読み進めてもらえたら、それでOKです。
それでは早速行ってみましょう!!
【飲食店向け】口コミが増えない原因①|口コミを「そのうち増えるもの」だと思っている
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口コミが増えない飲食店に一番多いのが、この考え方かもしれません。「美味しければ、いい接客をしていれば、そのうち口コミも増えるはず」…気持ちはすごくわかります。でも、今の食べログやGoogleでは、この前提がほぼ通用しなくなっています。
なぜかというと、お客様は「満足した=口コミを書く」とは限らないからです。美味しかった、感じが良かった、また来たい。ここで終わってしまうことがほとんどなんですよね。悪い体験は記憶に残りやすいのに、良い体験はわざわざ言葉にしなくてもいい、と思われがち。これ、人の心理としてかなり自然です。
さらに、今は情報が多すぎる時代です。口コミを書こうと思っても、「あとででいいか」「時間があるときにやろう」と後回しにされ、そのまま忘れられてしまうケースがほとんどです。実際、「あとで書こう」と思った口コミが、その日のうちに投稿される確率はかなり低いと言われています。
ここで重要なのは、口コミは“評価”ではなく“行動”だということです。行動にはきっかけが必要です。そのきっかけを用意していない状態で、「自然に増えない」と悩むのは、少しもったいないかもしれません。
口コミが増えているお店は、決して特別なことをしているわけではありません。ただ、「何もしなければ増えない」という前提を、最初から理解しています。だからこそ、声をかけるタイミングや導線を意識しているんです。
もし今、「うちは何もしていないな…」と感じたなら、それが最初の改善ポイントです。口コミは放置すると増えません。でも、少し向き合い方を変えるだけで、動き始めるものでもあります。
【飲食店向け】口コミが増えない原因②|お客様が「書けない・面倒」な導線になっている
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口コミをお願いしているのに増えない。実はその原因、やる気ではなく「面倒さ」にあることがほとんどです。お客様は悪気なく、「書きたいけど、ちょっと手間だな」と感じた瞬間に行動をやめてしまいます。
想像してみてください。お店を出たあと、スマホで店名を検索し、Googleマップを開き、口コミ投稿画面までたどり着く。この一連の流れ、冷静に考えると意外と面倒です。しかも移動中や食後で、気持ちが切り替わっているタイミング。「あとでやろう」と思った時点で、ほぼ終わりなんですよね。
特によくあるのが、「口コミはこちら」と口頭で伝えるだけのパターンです。気持ちは伝わっても、行動まではつながりません。検索ワードがわからない、同じ名前の店が複数出てくる、別店舗を開いてしまう。これ、地味ですが致命的です。
口コミが増えている飲食店ほど、導線を徹底的に短くしています。QRコードを用意する、レジ横やテーブルにさりげなく置く、伝票に挟む。これだけで、「あとで」が「今」に変わります。ワンタップで投稿画面が開く。この差は想像以上に大きいです。
もうひとつの落とし穴が、「説明しすぎ」な導線です。口コミの書き方を長文で書いたり、お願い文が重かったりすると、逆に構えてしまいます。「よかったら口コミお願いします!」くらいの軽さで十分です。行動を促す導線は、シンプルなほど強いです。
口コミが増えないのは、お客様の気持ちの問題ではありません。書こうと思った瞬間に、すぐ書ける状態を用意できているかどうか。ここを見直すだけで、口コミの増え方はかなり変わります。
【飲食店向け】口コミが増えない原因③|食べログとGoogleを同じ感覚で扱っている
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口コミが増えない、評価が伸びない飲食店に共通しているのが、食べログとGoogleを同じルールで考えてしまっていることです。実はこの2つ、似ているようで役割も見られ方もまったく違います。
まずGoogle口コミは、「来店前の判断材料」として使われるケースが圧倒的に多いです。地図で近くの店を探し、星の数と直近の口コミをざっと見る。「今行って大丈夫そうか?」を瞬時に判断するためのもの、というイメージですね。だからスピード感や新しさがかなり重要になります。
一方、食べログはどうでしょう? こちらは比較・検討のためのメディアです。点数、写真、レビュー内容をじっくり見て、「どこに行くか」を決める人が多い。評価も一気に動くというより、時間をかけて積み上がっていく傾向があります。
この違いを理解せずに、「口コミは口コミでしょ」と同じ対応をしてしまうとズレが生まれます。例えば、Googleでは更新が止まっているのに、食べログだけ気にしている。逆に、Googleの星だけを見て、食べログの中身を放置している。どちらも中途半端になりがちです。
さらに厄介なのが、増え方の感覚が違うことです。Googleは日常の流れで投稿されやすく、食べログは「書こう」と思わないと書かれません。同じお願い方をしても、反応が違うのは当たり前なんですよね。「前はそれで増えたのに…」と感じたことがあるなら、媒体の性質が変わっている可能性もあります。
口コミが増えている店は、最初から分けて考えています。Googleは“今の店の空気感”を伝える場所、食べログは“お店の評価を蓄積する場所”。この役割を意識するだけで、向き合い方も、声かけの仕方も自然と変わってきます。
口コミが増えない原因は、やり方の問題ではなく、前提のズレだった。そう気づけると、次に打つ手も見えてきます。
【飲食店向け】口コミが増えない原因④|口コミ施策がスタッフ任せ・場当たりになっている
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「忙しいときは無理しなくていいよ」「余裕があるときに声かけてくれたら」
このスタンス、実は口コミが増えない飲食店にものすごく多いです。気遣いとしては正解なのですが、口コミ運用という視点で見ると、ほぼ確実に止まります。
なぜかというと、飲食店の現場は常に余裕がないからです。ピークタイム、仕込み、トラブル対応…。そんな中で「今日はお願いしようかな」と判断する余白は、正直ほとんどありません。結果として、誰もやらない日が続いてしまいます。
さらに問題なのが、スタッフごとに対応がバラバラになることです。ある人は声をかける、ある人は一切触れない。こうなると、口コミの増え方にもムラが出ますし、「結局どのやり方が正しいの?」という状態になります。場当たり対応は、改善にもつながりません。
口コミが増えているお店は、ここをかなり割り切っています。「誰がやるか」ではなく、「どういう流れでやるか」を先に決めているんです。たとえば、「会計時に満足そうなお客様には、この一言を添える」「QRは必ずレジ横に置く」。これだけでも、属人化は一気に減ります。
また、スタッフ任せにしない店ほど、口コミを“特別な業務”にしていません。マニュアル化するというより、接客の延長線上に組み込むイメージです。だから負担になりにくく、自然に続きます。
口コミ施策が止まってしまう原因は、やる気の問題ではありません。仕組みがないことが原因です。ここに気づけるかどうかで、次の一手が大きく変わってきます。
【飲食店向け】口コミが増えない原因⑤|低評価を恐れて口コミから距離を置いている
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「変に口コミを増やして、悪い評価がついたら嫌だな…」
正直、この気持ちを一度も抱いたことがない飲食店オーナーは、ほとんどいないと思います。口コミは集客に効くとわかっていても、低評価の存在がどうしても引っかかる。だから無意識のうちに、口コミそのものから距離を置いてしまう。これ、かなり多いパターンです。
でも冷静に考えてみてください。口コミが少ない状態で低評価が1件つくのと、ある程度数がある中で1件つくのとでは、印象はまったく違います。口コミが少ないほど、低評価は異常に目立ちます。つまり、恐れて動かないこと自体が、実は一番リスクが高いんです。
さらに、低評価がつく理由の多くは、味やサービスの致命的な問題ではありません。混雑していた、提供が遅れた、期待と少し違った。こうした“すれ違い”がほとんどです。これをゼロにするのは正直不可能ですよね?
口コミが増えているお店は、低評価を「攻撃」だとは捉えていません。「そう見えたんだな」「この日はそう感じさせてしまったんだな」と、一つの意見として受け止めています。そして丁寧に返信する。その姿勢自体が、次に見るお客様の安心材料になります。
ご存知でしょうか?
口コミを見る人は、星の数だけを見ているわけではありません。低評価にどう向き合っているか、返信の温度感をかなり見ています。「ちゃんと対応している店かどうか」、ここが判断基準になっていることも多いです。
低評価を恐れて口コミから逃げると、何も改善できません。でも向き合えば、評価を積み上げる材料になります。口コミは怖いものではなく、お店を良くするヒントが詰まった“生の声”。そう捉えられるようになると、次の一手も自然に打てるようになります。
【飲食店向け】口コミが増えない原因⑥|星の数や件数ばかり見て「中身」を見ていない
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口コミを見るとき、つい最初に目がいくのは星の数や件数ですよね。「★いくつか」「何件あるか」。これは自然なことです。でも、ここだけを追い続けてしまうと、口コミは増えにくくなりますし、評価もなかなか伸びません。
なぜなら、星や件数は“結果”であって、“原因”ではないからです。評価が上がっているお店ほど、実は数字よりも書かれている言葉をよく見ています。「料理」「接客」「雰囲気」「提供スピード」。どこが評価され、どこでつまずいているのか。ここにヒントが詰まっています。
よくあるのが、「★4.0にしたい」「件数を増やしたい」という目標だけが先行してしまうケースです。この状態だと、口コミが増えない理由も、低評価の理由も見えてきません。結果として、同じことを繰り返してしまいます。「なんで伸びないんだろう?」と悩むけど、答えはもう書かれている。実はこれ、かなりもったいないです。
口コミが増えている店は、数字を“管理”ではなく“翻訳”しています。お客様が何を感じ、どこで感動し、どこで引っかかったのか。その言葉を現場に落とし込んでいます。「この一言、よく書かれるね」「ここ、ちょっとズレてるかも」。こうした共有が、次の改善につながります。
さらに、口コミの中身を見ている店ほど、返信の質も変わります。定型文ではなく、内容に触れた一言が返せる。これだけで、「ちゃんと見てくれている店」という印象が残ります。結果として、次の口コミも書かれやすくなります。
星の数や件数は、後からついてくるものです。先に見るべきなのは、今すでにある口コミの中身。ここを無視している限り、評価はなかなか動きません。逆に言えば、ここに向き合い始めた瞬間から、流れは少しずつ変わっていきます。
【飲食店向け】口コミが増えない原因⑦|口コミ運用が「仕組み化」されていない
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ここまで読んで、「全部わかるけど、正直ずっと続ける自信がない…」と感じた方もいるかもしれません。それ、まったくおかしくありません。むしろ正常です。口コミ運用が続かない最大の理由は、やる気や意識の問題ではなく、仕組みになっていないことにあります。
多くの飲食店では、口コミ対応が「余裕があるときにやること」になっています。忙しい日は後回し、落ち着いたらやろう。その結果、いつの間にか止まってしまう。これ、口コミが増えない店の典型的なパターンです。
口コミが増えている店は、最初から人の頑張りに期待していません。「誰がやるか」より、「どう回るか」を先に決めています。たとえば、「会計時に満足そうなお客様には必ず一言声をかける」「QRはレジ横に固定」「口コミ返信は週1回まとめて行う」。これだけで、運用は驚くほど安定します。
仕組み化というと難しく聞こえるかもしれませんが、要は“迷わない状態”を作ることです。その場の判断に任せない。決まった流れがあるから、忙しくても止まりません。結果として、口コミの増え方にもムラが出にくくなります。
もうひとつ大事なのが、仕組み化されると改善が見える化されることです。どのタイミングで声をかけているか、どんな口コミが増えているか。これが把握できるようになると、やりっぱなしになりません。「なんとなくやっている」から「意図して回している」状態に変わります。
口コミ運用は、短期戦ではありません。続けたお店が、最後に強くなります。だからこそ、頑張り続けなくても回る形を作る。この視点を持てるかどうかが、口コミが増える店と増えない店の最終的な分かれ道です。
まとめ|食べログ・Googleで評価を上げる唯一の方法
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ここまで、口コミが増えない原因を7つ見てきました。どれも「やっていないからダメ」という話ではありません。多くの飲食店が、知らず知らずのうちにハマってしまう落とし穴ばかりです。
そして、ここで一番大事な結論です。
食べログやGoogleで評価を上げる唯一の方法は、テクニックを増やすことでも、裏ワザを探すことでもありません。
それは、
口コミを「集客の数字」ではなく「お客様との会話」として扱うことです。
口コミが増えない店ほど、口コミを特別なもの、怖いもの、コントロールしなければいけないものとして見ています。一方、評価が安定して伸びている店は、口コミを日常の延長として扱っています。良い体験があったら声をかける。書きやすい導線を用意する。投稿された言葉にきちんと向き合う。ただそれを、無理なく続けているだけです。
星の数や件数は、あくまで結果です。
先に整えるべきなのは、「どう書かれているか」「なぜそう感じたのか」という中身の部分。ここに向き合えるようになると、評価は自然と積み上がっていきます。
また、食べログとGoogleを同じ感覚で扱わないことも重要です。それぞれの役割を理解し、「今の空気感を伝える場所」と「評価を蓄積する場所」として使い分ける。この視点があるだけで、口コミへの向き合い方はかなり整理されます。
そして何より大切なのは、頑張り続けなくても回る形を作ることです。気合いや善意に頼らず、誰がやっても同じ流れになる仕組みを用意する。これができた瞬間、口コミ運用は一気に楽になります。
口コミは、無理に増やすものではありません。
整えて、向き合って、育てていくものです。
もし今、「うちもそろそろちゃんと向き合わないといけないかも」と感じたなら、それが一番のスタートラインです。今日から完璧を目指す必要はありません。ひとつでも見直せたなら、評価は必ず変わっていきます。

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