飲食店のインスタ広告、やるべき店・やらない方がいい店|集客に失敗する前に知ってほしい話

こんにちはMEDIA HACKの川崎です。今回はインスタ広告をメインにSNS広告についてやっていきます。

「インスタ広告、やった方がいいですか?」

この質問、もう何百回聞いたか分かりません。しかも聞いてくる人、だいたい同じ顔してます。ちょっと期待してて、ちょっと不安そうで、「やらなきゃマズい気はしてる」けど、「失敗したら怖い」って顔。……わかる。めちゃくちゃわかる。

だって今、飲食店やっててインスタ触らない日はあっても、インスタ広告の話を一度も聞かない月なんてないじゃないですか。「広告回せば集客できますよ」「今は動画広告の時代です」「フォロワー増やせば来店につながります」。もうね、耳がタコです。僕も昔、全部信じました。というか、信じたかった側です。

実際、広告を出してみた人も多いと思います。数万円かけて、フォロワーがちょっと増えて、いいねも回ってきて、「お、悪くないかも?」って思った。……で、店はどうでした?忙しくなりました?予約、増えました?レジの前で「インスタ見ました」って言われました?たぶん、このへんで一度こう思ってるはずです。「……あれ? 思ってたのと違くない?」

フォロワーは増えた。でも来店は増えない。広告費は出ていく。誰かに相談しても「継続が大事です」とか「世界観を作りましょう」とか、フワッとした話ばかり。で、結局こうなる。「インスタ広告って、意味あるの?」

ここでやめた人もいれば、怖いけどもう一回やってみた人もいる。インフルエンサーに頼んだ人、SNS運用代行に違和感を覚えた人もいるでしょう。ちなみに言っておくと、その違和感、だいたい合ってます。

ただし。ここで一つだけ、最初にハッキリさせておきたいことがあります。あなたが今モヤモヤしている原因は、「やる・やらない」の選択を間違えているからじゃない。たぶん、考える順番がズレているだけです。

……と、ここではまだ答えは言いません。

でも大丈夫。この記事では、インスタ広告を「やるべき店」と「やらない方がいい店」をちゃんと分けて話します。耳が痛いことも言います。一回、あなたの考えも否定します。でも最後は、ちゃんと持ち帰れる形で終わらせます。偉そうに言ってますが、僕自身、盛大に遠回りしてきた人間なので。

ではまず、多くの飲食店が信じてしまっている“よくある勘違い”から話しましょう。

目次

まず否定します|インスタ広告=集客できる、は勘違いです

いきなりですが、はっきり言います。「インスタ広告を出せば集客できる」これは勘違いです。
強めに言ってますが、あなたを否定したいわけじゃありません。むしろ逆で、この勘違いに振り回されてお金と時間を溶かす飲食店を、何百件も見てきたからです。

よくあるのがこの流れです。SNSで「今はインスタ広告が熱い」と聞く。周りの店もやっている気がする。正直よく分からないけど、「何もしないよりマシか」と思って広告を出す。で、フォロワーが増える。いいねも付く。数字だけ見ると、なんとなく成功した気になる。でも、肝心の来店が増えない。売上も変わらない。広告費だけが毎月消えていく。これ、本当に多いです。

ここで一度、冷静になってほしいんですが、インスタ広告と集客はイコールじゃありません。広告は「人を集める装置」ではなく、正確に言うと「見せる装置」です。しかも、ただ見せるだけ。来店させる保証なんて、どこにもありません。

たとえば極端な話、めちゃくちゃ美味しそうな料理写真を広告で流したとします。動画もオシャレ。音楽も今っぽい。フォロワーも増える。でもその店が「今日は行かなくていい理由」を同時に大量に抱えていたら、人は来ません。場所が分かりにくい、値段が想像できない、誰向けの店か分からない、そもそも今の自分には合ってなさそう。これ、広告以前の問題です。

それなのに、多くの飲食店はこう考えます。「広告が弱かったのかな」「クリエイティブが悪かったのかな」「もっと広告費をかければいけるかな」。気持ちは分かります。でも違います。問題は広告じゃないことがほとんどです。

もう一つ、よくある勘違いがあります。それが「フォロワーが増えれば来店につながる」という考え。これも一度、忘れてください。フォロワーは「見ている人」であって、「来る人」ではありません。ここを混同すると、インスタ広告は一気に危険な存在になります。

ちょっと嫌な言い方をすると、フォロワー1万人いても、今日の売上が0円の店は普通にあります。逆に、フォロワーがほとんどいなくても、毎日満席の店もあります。つまり、フォロワー数と集客は別物

ここまで読むと、「じゃあインスタ広告って意味ないの?」と思ったかもしれません。安心してください。意味がないとは言ってません。ただし、「集客できる魔法」だと思っているなら、それは完全に間違いです。

一回、ここで考え方をリセット。

インスタ広告は、万能でも正義でもありません。使いどころを間違えると、ただ広告費を燃やすだけの装置になります。でも逆に、正しい前提で使えば、ちゃんと意味のある道具になります。

問題は、ほとんどの飲食店が、その前提を知らないまま広告を始めてしまうこと。だから「失敗した」「もうやらない」「広告は怖い」となる。この流れ、正直もったいないです。

じゃあ、なぜ飲食店のインスタ広告は、ここまで失敗しやすいのか。
次はそこを、飲食店の現場目線で、もう少し真面目に解説します。

なぜ飲食店のインスタ広告は失敗しやすいのか(現場目線)

飲食店のインスタ広告がうまくいかない理由って、実はそんなに難しい話じゃありません。テクニックが足りないとか、センスがないとか、そういう話でもない。構造的に、失敗しやすい条件が揃っているだけです。

まず大前提として、飲食店は衝動買いの商品じゃありません。コンビニでお菓子を買うのとは違って、「今日はこの店に行こう」と決めるまでに、いくつものハードルがあります。時間、場所、予算、同行者、気分。これ全部クリアして、ようやく来店です。インスタ広告は、この長いプロセスのほんの入り口に触れているだけなんですよ。

ここを勘違いすると、「広告を見せた=集客できる」と思ってしまう。でも実際は、広告を見た瞬間、ユーザーの頭の中ではこう考えられています。「美味しそうだけど、今日は違うな」「気になるけど、今じゃない」「保存だけしておこう」。これ、失敗じゃありません。普通の反応です。

次に多いのが、広告が“音だけ大きい状態”になっているケース。インスタ広告は拡声器みたいなものです。中身が弱いと、ただ大きな音で流れていくだけ。たとえば、料理は美味しそうだけど、値段が分からない。誰向けの店か分からない。ランチなのか、ディナーなのかも分からない。これ、現場だと致命的です。「分からない店」は、基本的に選ばれません。

それでも「広告が悪いのかな」と思って、動画を作り直したり、写真を変えたり、音楽を変えたりする。でも、来店を決める理由そのものが足りていないと、何を変えても結果は大きく変わりません。これは広告の問題じゃなく、設計の問題です。

もう一つ、飲食店ならではの落とし穴があります。それが「広告費=経費感覚」になってしまうこと。毎月3万円、5万円。「このくらいなら…」と出せる金額を設定して、結果をちゃんと見ない。で、「よく分からなかったけど、微妙でした」で終わる。これ、かなり多いです。広告は出した瞬間に結果が出るものじゃないので、検証しないと、ただの出費になります。

現場で見ていて一番もったいないのは、「失敗した」という判断が早すぎること。正確に言うと、何が失敗だったのか分からないまま終わっている。来店が少なかったのか、そもそも見られていなかったのか、興味は持たれたけど来なかったのか。この切り分けをしないと、改善のしようがありません。

そしてそして、これはかなり現実的な話なんで共感する方も多いと思うのですが、飲食店は忙しい。仕込みもあるし、スタッフも足りないし、クレームもあるし、数字を見る時間なんて正直ない!!
だから広告を「誰かに任せる」か、「なんとなく回す」か、になりがち…。ここが、インスタ広告が失敗しやすい最大の理由かもしれません。

ここまで読むと、「じゃあ、やっぱりインスタ広告って難しいじゃん」と思ったかもしれません。でも、安心してください。難しいんじゃなくて、順番が違うだけです。ここを整理すると、広告は一気に怖くなくなります。

偉そうに言えない。僕も盛大に失敗しました

ここまで読むと、「いやいや、川﨑さんは分かってる側でしょ」と思われるかもしれません。でも正直に言います。僕も、インスタ広告でちゃんと失敗してます。しかも一回や二回じゃない。

当時の僕は、今よりもっと単純でした。「飲食店 × インスタ=相性いいに決まってる」「広告を回せば、人は来る」「要はリスティングと一緒でしょ、あはは」。完全にこの思考です。フォロワーが増えれば、自然と来店につながると本気で思ってました。今思えば、かなり楽観的です。

実際に広告を出しました。料理の写真も動画も、それなりにこだわった。広告費も、個人店にしてはまあまあ出した方だと思います。で、結果どうなったか。フォロワーも若干増えました。いいねもつきました。「反応いいですね!」って言われました。ここまでは順調そう…ですよね?

でも、売上はほぼ変わらなかった。忙しくもならない。予約も増えない。インスタ見ました、も言われない。数字だけ見ると「悪くはない広告」なのに、現場の体感はゼロ。これ、地味にメンタル削られます。

当時の僕が何を考えたかというと、「広告が弱いのかな」「もっとオシャレにしないとダメかな」「動画がダサいのかも」。要するに、全部“広告のせい”にしてました。でも今ならはっきり言えます。悪かったのは広告じゃない。

一番ダメだったのは、「来店する理由」を何も考えてなかったことです。誰に来てほしいのか。いつ使ってほしいのか。いくらぐらいの店なのか。そもそも、他の店と何が違うのか。これを曖昧にしたまま、広告だけ回していた。そりゃ来ません。

さらに恥ずかしい話をすると、当時は広告の数字もちゃんと見てませんでした。フォロワーが増えた、再生数が伸びた、それだけ。「で、来店は?」と聞かれると、「たぶん…そのうち…」みたいな感じ。今思うと、完全に雰囲気でやってた。これはSNS広告に限らずインフルエンサー・マーケティングもMEOも一緒。

極めつけは、「もう一回やればいけるかも」と思って、ほぼ同じ設計で広告を再開したことです。結果は言わなくても分かります。同じ失敗を、もう一回やりました。あのとき誰かに、「それ、順番違うよ」って言ってくれる人がいたら、たぶん止まれてたと思います。

この経験があったからこそ、今は声を大にして言えます。インスタ広告は、やり方を間違えると、静かにお金と自信を削っていく。派手に失敗しない分、余計に厄介です。

ただ、ここで一つ救いだったのは、「広告がダメだった」と結論づけなかったこと。正確に言うと、ダメだった理由をちゃんと考え直したことです。広告を見る前に、店を見る。数字を見る前に、現場を見る。この順番に変えた瞬間、見える景色が一気に変わりました。

だからこそ、今これを読んでいるあなたに対して、「広告はやめた方がいい」とは言いません。ただ、僕と同じ遠回りはしなくていいと思ってます。

次は、ここまでの話を踏まえて、少し前向きな話をします。考え方をどう切り替えると、インスタ広告との付き合い方が変わるのか。ここが分かると、「怖いもの」から「判断できるもの」に変わります。

考え方を変えると、インスタ広告は怖くなくなる

ここまで読んで、「やっぱインスタ広告むずいじゃん…」と思った人、正直に手を挙げてください。大丈夫です。正常です。僕も同じところで何度も止まりましたw
でも一つだけ、はっきり言えることがあります。インスタ広告が怖い理由は、広告そのものじゃありません。考え方が整理されていないから怖いだけです。

多くの飲食店がやってしまうのは、「集客したいから広告を出す」という順番。でもこれ、逆なんですよ。正しくは、「来店する理由がある店が、その理由を広げるために広告を使う」。この違い、地味だけどめちゃくちゃ大きい。

広告は、何かを“作る”道具じゃありません。すでにあるものを“拡張する”道具です。たとえば、平日の夜に強い店、ランチの回転がいい店、デート需要が取れている店。こういう「すでに選ばれている理由」がある店は、広告を使うと一気に伸びます。逆に言うと、その理由が曖昧なままだと、広告は何倍速で失敗を再生するだけです。

ここで一度、考え方を切り替えてみてください。「広告で人を呼ぶ」じゃなくて、「来る理由を見せる」。料理がウリなら、それをどういうシーンで食べてほしいのか。価格が強みなら、安心して入れる理由としてどう伝えるのか。雰囲気がいいなら、「誰と来る店なのか」をはっきりさせる。これ、全部広告以前の話です。

もう一つ、広告に対するハードルを下げる考え方も大事です。インスタ広告は、一発で成功させるものじゃありません。むしろ、「小さく試して、ズレを直す」ための道具です。最初から完璧を狙うと、必ず怖くなる。だから、最初は来店じゃなくてもいい。「保存された」「プロフィールを見られた」「メニューを確認された」。これが見えたら、ちゃんと前に進んでます。

そして何より伝えたいのは、「今やらない」という選択も、立派な判断だということ。広告は逃げじゃありません。順番を待つだけです。店の軸が固まってからやった広告と、焦ってやった広告は、同じ金額でも結果がまるで違います。

考え方を変えると、インスタ広告は「怖い賭け」から「判断できる手段」に変わります。やる・やらないを感情で決めなくてよくなる。これだけで、だいぶ楽になります。

さて、ここまで読んで、少し頭が整理されてきた人もいると思います。最後は、この話を一度きれいにまとめて、あなた自身がどう判断するかに委ねます。

まとめ|それでも、インスタ広告をやるかどうかはあなた次第

ここまで読んでくれてありがとうございます。たぶん今、頭の中は「やるべき」「やらないべき」よりも、「なるほど、そういう話だったのか」という整理に近い状態なんじゃないでしょうか。もしそうなら、この文章の目的はもう半分達成です。

インスタ広告が良いか悪いか、向いているか向いていないか。正直、それ自体に絶対的な正解はありません。ただ一つ言えるのは、インスタ広告は“万能な集客装置”ではないということ。そしてもう一つ、間違った順番で使うと、静かに失敗するということです。

フォロワーが増えないから広告を出す。暇だから広告を回す。不安だから、とりあえずやってみる。これ、全部やりがちですし、僕も通ってきた道です。でも振り返ると、その時に必要だったのは広告じゃなかった。「なぜこの店を選ぶのか」「誰に来てほしいのか」「今、強い時間帯や使われ方はどこなのか」。この整理をすっ飛ばして、広告に期待しすぎていただけでした。

だからもし今、インスタ広告に対してモヤっとした不安があるなら、その感覚はかなり健全です。やらない方がいいサインかもしれないし、やる前に一度立ち止まれという合図かもしれない。少なくとも、「何も考えずに出すべき」という状況ではありません。

一方で、「うちは来店される理由がある気がする」「ここが評価されているのは分かっている」「それをもっと知ってもらえたら変わるかもしれない」。そう思えたなら、インスタ広告はちゃんと検討する価値があります。その時は、集客の魔法としてじゃなく、判断できる道具として向き合ってください。

この記事は、インスタ広告をすすめるために書いたわけではありません。むしろ、「やらなくていい失敗」を減らしたくて書きました。広告で傷つく必要はないし、怖いまま続ける必要もない。選ぶのは、いつだってあなたです。

さて、ここで一つだけ問いを残します。
もしインスタ広告を“今すぐ”じゃなく、“正しいタイミング”でやるとしたら、その条件は何でしょうか?

この問いに、自分なりの答えが出たとき。
そのとき初めて、広告はあなたの味方になります。

※補足
この記事は、インスタ広告を「やる・やらない」で悩んでいる飲食店オーナー向けに書いています。
もし「自分の店はどっち側なのか」を整理したい場合は、Ad-Eatが向いているかどうかを無料で一緒に確認することもできます。
無理な提案はしませんので、必要なときだけ連絡ください。

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